ライ麦畑でつかまえて・サリンジャーの世界。 2019.12.10 暇人のお気に入りのもの RSS ライ麦畑でつかまえて、The Catcher in the Rye ちょっと前に書いた再編集です。本を読めど、なかなか感想なぞを書けないでいるなか書いてみました。サリンジャーの本は、フトッした時に読むと嘘がないのでなんだか救われます。 永遠の謎・ライ麦畑でつかまえて 好きにはなれない主人公ホールデン・コールドフィールド君は、共感ができないようで、誰でも思い当たる自分の部分だと思います。何もかもをわかったように、他人を批判はできるけれども自分の考えを人にわかるように説明もできず、ユーモアがあって、人と違う確信が自分にあり、センスがって、人に憧れられるようなドラマティックな出来事や人生変えてしまうような出来事を経験し、迷いもなく決断し、それをいとも簡単に捨てられる自信があり、分別のある「大人で人と違う自分」なんてものがないと自覚している正直でどうしようもない主人公。ただ、「嘘」や「偽善」が嫌いなだけで、嘘と偽善を排除して生きようとすると、死がすぐそこにあるような細い細い崖の上を歩いているような危なっかしい人生は、今自らも生きている社会の皮を一枚剥げば、そんなに変わらないと思います。 まさに自分にも当てはまることです。40代の足音が聞こえ始め、思春期と今の違いは、少しは、知識が増え、少しは、色々な体験をして、少しは、いろいろな角度で、自分や人間を見れて、少しはいろいろな角度で物事を見ることができるようになり、正解とか正義だとか、結論などは無いと気づいて、根拠のない自信が打ち砕かれ、キラリと光る才能もなく、相も変わらず同じところを回り続け、同じような壁にぶち当たり、社会で生きる力も獲得できていないし、生活はあまりに不安定で、自分がどっからどう見ても「凡人」だと気づきながら、誇りと自信のようなものといえば、人生を諦めないことと、根拠のない自分の考えを捨てないことぐらい。大人と言われる歳になりながら、根本的には何も成長なんかしていない自分を嫌いではないことぐらい。自分はまともではなく、不適合者だと自覚していることぐらい。それでも生きるために、不適合な自分の歪みを社会の中で生きる力に変える方法を探していることぐらいです。 ライ麦畑の世界は、少しイライラする世界の中で、中途半端な出来事があります。なんとなく作られるドラマや映画と違って、いい人に囲まれ、わかりやすイヤな奴が出いてきて、色々な意味のある出来事を乗り越えて成長し、 人に認められるような主人公や美しげで、温かな世界があるシラケる予定調和の世界ではありません。ゴミがあって、自分から見て、何もわかっていない奴らに囲まれて、偽善者や脱落者がいて、自分を理解してくれるような人なんていなくて、なんとなくありそうな感じのしている人と違う才能のようなものも、社会に適合できていなくて、自分にも他人にも認められないようなゴミ同然なものを大事に抱えながら生きている世界。 孤独も本当に好きだけど、人を求めていて、自分と他人は違うと知っているけれども、あきらめきれなくて、なんとか伝えようともがく。 「自分」と「他人」は違うし、ぜんぜん違う色や感じ方、考え方、捉え方、言葉の使い方、育ち方をしているので、 「自分を理解してもらうこと」「他人を理解すること」はできないと思います。家族や大切な他人を含めて、自分の言いたいことは、上手く伝わらず、その人々が言いたいことは、上手く聴きとれないない。理解できるわけなどないと諦めたくもなりますが、そんなことをしたら、すべてが、意味をなくしてしまうし、「自分の仕事」の意味や役割も諦めてしまうことになると思います。 自分の伝えたいことは、本当の意味で伝わることなんてないと諦めて、その数十分の一でも伝われば、ラッキーだし、伝わらなくても当然。違った形で伝わってもその中で、共有できる瞬間はあるし、他人に伝わることもしっかりとあって、少し視点を変えるだけで、好きだとか嫌いだとかに分けず、決めつけなければ、広い世界があると思います。相手や自分を変えることを諦めて、少しはマシになるように、今ある自分でなんとかしようとするしかないと思います。嫌いな人々や理解できないことに囲まれた世界をそのまま見て、自分の中に入れてその中で自分や他人を信じ、「たんなる違い」を好き嫌いではなく、ただ違うのだとそのまま受け止め、 「その中でどうすることができるのか?」を考え、実行することしか出来ないと思います。 「ライ麦畑でつかまえて」に出てくる人々や出来事、 そして、ホールデン・コールドフィールド君は、イライラもしますが、 信念があって、自分で考えながらもがいていてやっぱり美しいと思います。 そしてやっぱり、この世界は、美しく面白いことに満ち溢れています。 サリンジャー氏はクレイジーで、すごくマトモな天才だと思います。天才は、「苦悩の中で新しい価値を作り出す」人なのかもしれません。 うまく伝わらないかもしれませんが、おすすめな本です。 暇人139,042 views 暇人です。 私のモットーは、心に{ヒマ}を持つことです。 心に暇がないと、色々見たり、考えたりするときに 行き詰まります。 今は寸暇を惜しまず考えて、行動し... プロフィール RSS Pin it 暇人のお気に入りのもの, 暇人の書き物 お気に入りのもの, サリンジャー, 人生, 写真, 新たな扉, 暇人のお気に入りのもの, 暇人記事, 本, 生き方 コメント: 0 夜明け前の本音 from 成田空港 知らないと泣きを見る。本当に使うトラベルイングリッシュ・空港・乗り継ぎ編 ピックアップ記事 未分類 。 2019.11.18未分類 インドネシアとバリ島 美食と調和の楽園ウブドに再び。 2020.06.05インドネシアとバリ島, 暇人のバリ島・カンボジア40日の旅, 暇人の書き物 カンボジア カンボジアにある世界の宿のクオリティーは高い・カンボジア・バ... 2020.01.31カンボジア, 暇人のバリ島・カンボジア40日の旅, 暇人の書き物 関連記事一覧 旅のお役立ち情報 知らないと泣きを見る。本当に使うトラベルイングリッシュ・空港... 2019.12.10 暇人の書き物 穏やかな海で、、格言写真 2022.01.02 暇人の書き物 その状況の向こうにいる人間の姿が、、名言写真 2020.06.02 カンボジア シェムリアップ~プノンペンのバスの乗り方。 VIPバスと普通... 2020.03.14 暇人の書き物 必要なのは知識でなく思いやりである、、格言写真 2020.04.08 キャンプ飯と多国籍料理レシピ クリスマス・ロシアンマカロニレシピ 2019.12.15 旅の準備 水を含むとバリカタになるオピネル簡単分解法。カスタムすれば使... 2021.10.10 暇人の書き物 思いわずらうな、、格言写真 2020.05.17 コメント ( 0 ) トラックバック ( 0 ) この記事へのコメントはありません。 この記事へのトラックバックはありません。 トラックバック URL
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