キャンバスのダルースパックをワックスコットンにリメイク

アメリカ最古のキャンバスコットンバックメーカー、
ダルースパックを手に入れたんですが、
やっぱり手を加えたくなってしまうのが性分のようです。
このままでも十分風合いもデザインもよく
経年変化もしてゆきそうなんですが、
ワックスコットンやオイルどコットンのひび割れてゆく
経年変化をやっぱり求めてしまっていて、
アウトドアにも雨にも風にも傷にも汚れにも負けない
バックにリメイクすることにしました。
オイルどコットンは匂いが気になるので、
使い慣れている蝋を使って、ダルースパックを変身させてゆきます。
キャンバスのテントを蝋ずけするように。
デメリットも含めて工程を公開します。


元々の風合いは、厚手の割には柔らかいキャンバスコットンに
厚手のレザーとゴツメの金具を使っている感じです。
色はブラックです。
モデルはB-140 CHILDS PACK BOX ENVELOPE

用意するもの
アイロン
アイロン台
蝋(蜜蝋ならなおいい)(15本ぐらい)
クッキングシート
ピーラー
シニュー糸
縫い針
コバ(革の断面)と床面の毛羽立ちを磨いてゆきます。


こんな感じで仕上がりました。



ロウビキの手順は至ってシンプルです。
ダルースパックの下にクッキングシートをひき、
ピーラーで蝋を削ったりしてバックにのせます。



中温で焦げないようにクッキングシートの上から
蝋を溶かし込んでゆきます。

金具周りが、思っていた数倍、入れ込むのが面倒です。
特にベルトの裏側など。

レザーにも持ち手にもガンガン蝋を
溶かし込んでゆきます。
貫通すると色が変わるのでわかりやすいです。
後でレザー部分に蝋を入れるデメリットも教えます。
私は革を扱えるので、ガンガンいきます。

ロウでバリバリです。

4時間近くひたすら蝋を裏表ねじ込みました。
やったっことを後悔するぐらいガチガチです。
ここまでやって気がつきました。
表面の蝋をこそいでもこそいでも永遠に蝋のカスまみれで、
これでは、蝋の塊を持っている怪しいやつになります。

革小物を作っている経験を活かし、
たどり着いたひみつの方法でご覧の通りに渋い仕上がりになりました。

折り曲げるとロウが割れ、思い描いていた質感と風合いになりました。
ミリタリー要素とカルペディエム的なアルチザン、
荒廃感が加わり最高のバックになったのです。
しかし、懸念した通り、
ブライドルレザーのようにレザー部分はひび割れしてきました。
修理や交換ができない人は、レザー部分を避けて、
蝋を入れることをお勧めします。
私は、菱切りで穴を開け、レザーを縫う要領で
ダブルにステッチを入れ穴を補強しました。
また渋みが上がりい感じです。
できればこのままリペアを繰り返し使いたいですが、
ベルト部分を付け替えるのも面白いかもしれません。


創業は1882年。はじまりはカナダからの移民だったカミーユ・ポワイエがミネソタ州ダルースの町に靴屋を開いたこと。腕の良い革職人だったカミーユは、地元の人たちの靴やプーツを修理するかたわら、猟師や木こり、商人に向けた丈夫なバッグの需要があることに気づきます。そこで「C ポワイエ・パックサック」と名付けたバッグを制作。この年が「ダルースパック」の創業とされています。それ以降、時代の需要とともにブランドは進化し続け、現在ではバックパック、ショルダーバッグ、トートバッグ、ラゲージまで、アウトドアでも日常でも使えるさまざまな製品を製造しています。
創業した1882年は日本では明治15年。まだ維新の騒乱のただ中にあった西南戦争から5年後です。そんな時代に産声を上げた「ダルースパック」は、現在もなお、アメリカ国内で製造を継続している数少ないメーカーであり、ウエストコーストのアウトドアカルチャーとは一線を画し、軽量化やスペックを競うバックパックとも無縁の境地を歩みつつ、職人が誇りを持って一つひとつ丁寧に手作りしています。その証として、「Made in USA」のタグの裏には縫製担当者の手書きのサインが貼ってあります。
暇人
120,364 views暇人です。 私のモットーは、心に{ヒマ}を持つことです。 心に暇がないと、色々見たり、考えたりするときに 行き詰まります。 今は寸暇を惜しまず考えて、行動し...
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