忘れられた民たちは集い、、格言写真
暇人の書き物
平沢進・万象の奇夜より
忘れられた民たちは集い
炎を掲げて迎える
万象の風の到来
なにもかもが消え
なにもかもが来る
Forgotten people gather
Greet with a flame
The arrival of the universal wind
Everything disappears
Everything comes
近代化の波が押し寄せ
西洋化の中で
民族性や
文化をは消え失せてしまうのか？
そんなことはない
民族性とは
己や
コミュニティーを形作る
源流なのだ。
表層は流され
柱は朽ちたとしても
帰るところは
歴史や血や自然なのだ。
失えば失うほど
くすぶる火種は
業火を呼び
旋風を巻き上げる。
粉々に
失われそうになった時こそ
全ては再構築される。
利便性など文化ではない。
個別の民族と
個別の民族の中で
新たな文化は生まれる。
反作用の波が
信ずるものや
起源をなくした
人間の
新たな時代を作るだろう。
万象の奇夜
知り得ないほどの遠くでは
離れ離れの奇妙な命は何万度の火となり
忘れられた民たちは集い
炎を掲げて迎える
万象の風の到来
なにもかもが消え
なにもかもが来る
瞬きの間にも吹き上げる
風に舞い飛ぶ
命の
巧みに黄金のジオラマ
奇談のように語られたキミの
明日が生まれて
称える言葉は
何千里も連なる
万象の 奇夜 奇夜
知り得ないほどの遠くから
流れ流れて運ぶよ
万象の風の到来
瞬きの間にも吹き上げて
数え切れない命を連ねて編み上げるパノラマ
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