ミヒャエル・エンデ「モモ」と時間と仕事について。

Michael Ende “Momo” and his time and work.
暇人のお気に入りのもの

消費増税・キャッシュレスに新型コロナで、
これでもかと仕事への打撃を受けながら、日々生きています。
宅待機などを通して
今後の仕事や時間について考え直している方も多いかと思います。
そんな時に読んでほしい1冊です。
ミヒャエル・エンデさんの「モモ」。
こ数年の間、
革小物に対するご感想は、ありがたいものばかりなのですが、
現実的な面での仕事があまり上手くいかず、
葛藤と反省と改良を図る日々が続いています。
らないうちに、見過ごしていたことや、見てみぬふりをして、
「怠けいていた」部分を一つ一つ見直し、
立て直しを図っている最中に
出会った本の中の一冊です。
モには、時間は人生であり、意味のある時間、
無駄な時間とは何か?という問いかけが描かれています。
こには、お金や物の面では
豊かになったように見える現代社会や資本主義社会で
「効率」の影で失われた「過程」を楽しむ
余裕や自分や仕事に対する誇りが失われていく過程も
描かれています。
人的な考えですが、
誇りや、やり甲斐のある仕事が失われていくのは、
「目に見えない誰かのために、他人の目的もわからない
仕事をすることで
自らに嘘をつき、
嘘をついて自らの時間や仕事を売ることで、
自信を失い、
やがて無気力になって、
他人を羨み、模倣していく」過程があると思います。
の影には、
「効率」と「お金」があります。
果のために何かしようとすると、
その過程はとたんに、つまらなくなってしまい、
つまらないことは早く終わらせたいので、
効率を求めるようになってしまうと思います。
短でお金を稼ごうとすると、
そこに関わってくれる人が見えず、過程を楽しめず、
過ちにも気づけず、焦るあまり、自らの間違いを正すこともできず、
つのまにか、「お金」が「人の命」よりも
「時間」よりも大きな存在になってしまい、
のためにお金を稼ぎたいのかも
見失ってしまうと思います。

Michael Ende “Momo” and his time and work.

かに迷うときに、私にはいつも「旅の記憶」があります。
旅には人それぞれの形があると思いますが、
の旅は、チケットを買い、出来る限り下調べをせずに、
先入観をもたないようにすることを大切にしています。
前に読むのは、お金のことと、言葉のことと
最初に行く国のビザ、風習やデモや場所などの最低限の危険情報です。
宿も基本的に現地で探します。
頼りになるのは、自分の感覚と経験だけです。
つ目の心地の良い安宿が決まれば、
後はしなければならないことも、予定もありません。
自分の感覚に合う宿が見つかれば、面白い人に出会えます。
宿に限らず、道や店や自然やバス停などでも。
色々な人と話す中で、今日や明日に行くところや
することが自然と決まっていきます。
まり観光地には行かないので、土地を移動しては、
少しの間生活をします。
そこで新しい文化や人に出会います。
ち物の中には、相棒のように楽器とカメラがだいたいあります。
楽器とカメラを通して人と合うことがとても多いのは、
喋れなくても時間を共有できる力があるからです。
語が通じない地域でも、見えるものや聞こえるものは、
共に楽しむことができます。
そのことを通して、表現する力を実感できました。
ちろん、時間や働きかたについても色々と体験ができました。
基本的にあまり同じような都市には興味がないので、
娯楽があまり無いところに行くことが多いのですが、
もない所へ行けば行くほどに、
人間の距離とゆったりと流れる時間に出会えます。
やることといえば、
人と話し、その土地のものを食べて、
楽器などで遊び、仕事をしたり屋根のあるところで寝る。
れと、衣食住と医者に行くお金さえあれば、
驚くほど、時間は濃密でしかも長いのです。
間は確かに伸び縮みをするんです。
時間があると、時間を気にせずに人と話したり、
遊んだり、
遠出をして川の流れを見たり、
朝日を見たり、
夕日を見たり、
満点の星空をみたり
野生の動物や鳥や花や草木をみたり、
海に浮かんだり。
日色々な違う日々を過ごすことができました。
その中には、無数の出会いと別れと再会と
一生忘れられない景色や音や匂いがあって、
その中で、自分の考えや選択肢や大切なものや
いらないものなどが見えてきます。
ちろん旅の中の生活は、
そこに何年もいる人々の生活における現実の部分、
お金や仕事。
あるものや、ないもの、
どうしようもないことなどが欠けているので、
楽しめただけなのかもしれません。
は今、革小物を作る仕事をしています。
新鮮に、制作にのめり込む時期は過ぎ、
楽しさの中に同じぐらい葛藤や反省が入り混じっています。
そのなかで、毎日何とか次の段階へ、
その先の「自分にしかできない革の仕事」への道を探しています。
金や仕事を含めた「現実」なかで、
なるべく嘘をつかないですむように、現実を変えながら、
人生の時間の過ごし方を探していきたいと思っています。
を生きるということと
未来を見据えて生きることの両立はどのようにできるのかも含めて。
事を見るということは、経験に裏付けられた、
自分の基準を通して見るということだと思います。
生の中で1番時間を使う仕事を何にするかによって、
人生の形や長さも変わってゆくので、
現実と理想の中で答えを探し続けてゆくしかありません。

暇人

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暇人です。 私のモットーは、心に{ヒマ}を持つことです。 心に暇がないと、色々見たり、考えたりするときに 行き詰まります。 今は寸暇を惜しまず考えて、行動し...

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