ここ数年気にかかっていることがありました。
なぜ日本は物質的には豊かであるはずなのに、
貧しく、町や壁は張りぼてで、ロボットが作ったような量産品や
偽物が溢れ、心に暇がなくなってしまったのかを。
そして、日本人が本来持っている美意識や生き方が形だけのものになり、
真心が薄らぎ、誇りや自信をどの時点で失ってしまったのかを
探していました。
古書店で見つけた「日本の心」にその一端を見つけた気がします。
「日本」というだけで、どちらかに偏っているような
印象があるかもしれませんが、そんな要素はなく、
不自然な日本賛美でもありません。
外国人が見た日本を外国人に向けて書かれた本で、
西洋と比較して日本を描き出している本です。
内容量が多く、まるで違う国の本を読んだような
衝撃とやっぱりそうか!という確認もできました。
黒船がやってきて、日本人が守ろうと捨てたもの。
物質の豊かさと引き換えに、
失われた数々の「美」や心の豊かさと細やかさ。
現在置かれている、伽藍堂(がらんどう)の教育と
西洋の資本主義社会のシステムに抑圧されている
日本人の考え方やものの見方や捉え方。
そして何よりも、ずーと感じてきたことですが、
日本人の誇りは、志や自分以外の人や社会のために
生きる「仕事」をすることで初めて持てるのだと思います。
(「仕事」はお金を稼ぐビジネスではなく、
社会の中での役割を果たすとことだと思います。)
かつての日本人の美徳や社会は、
今のように、俺が俺がではなくて、見えないところに手を抜き、
自分だけが得をするような小細工やシステムを操る
悪知恵を働かせるのではなくて、
めんどくさいことは多々あっても基本的に助け合いの社会であり、
他に礼を払い、自らに恥じない生き方をそれぞれが持っていた
社会だと思います。
物事は表裏一体で、自分に都合の良いことだけを
小狡い手や楽をして、手に入れることが
幸せな生き方ではないと思います。
仕合わせは、良いことも悪いことも
受け入れて、もがきながら生きていくことだと思います。
私も含めどこに行ってしまったのかもわからない
「日本の心」の断片は、
形式だけでも色々な風習、行事、慣例、仕来り、
そして何よりも歴史の中に眠っていると思います。
そのまま過去のようにではなく、
今再構築しないと、手遅れになってしまいます。
出発点は、現状の良い面と悪い面とを
そのまましっかりと見ることからです。
そのためには、知識や知恵が必要不可欠です。
伸びやかで豊かな日本人や文化が
色とりどりに描かれているので、
機会があれば読んでみてください。
大切なことが書かれています。
暇人です。 私のモットーは、心に{ヒマ}を持つことです。 心に暇がないと、色々見たり、考えたりするときに 行き詰まります。 今は寸暇を惜しまず考えて、行動し...
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